請願に対する討論の内容~12月議会閉会しました~ | 茨木市議会議員 米川勝利のWEBサイト


2015年12月16日

請願に対する討論の内容~12月議会閉会しました~

15日に12月議会は閉会しました。

請願に対する討論をしましたので、以下のその内容を掲載いたします。
(実際しゃべっているなかで、若干語尾が異なる部分もあったかもしれませんが、ご了承ください)


請願第4号乳・幼児期から学童期までの保育・学童保育、子育て支援施策の拡充を求める請願書について、茨木市民フォーラムを代表して、不採択の立場から意見を申し上げ、議員各位の賛同をお願いするものです。
先週8日の民生常任委員会におきまして、請願者から趣旨説明があり、切実なご心情をお聞きいたしました。また、請願趣旨の本文に記載されているとおり、「子どもは未来の希望である」ということ、どんな家庭や地域に生まれても、愛され、よりよい保育を受け、幸せに育つ権利があるということに対しては、私も同感です。次世代を育成することは、国の責務であり、自治体の使命だと、私たちの会派は考えています。

今年は、子ども子育てに関わる国の制度が大きく変わった年でもありました。国の対応の遅さにより、行政や現場、そして保護者のみなさんにも混乱が生じている中でのスタートであることは承知しています。今後も注視していく必要がありますが、私たちは、新制度のもと、自治体の地域性や多様性を踏まえ、公的責任をどのように担っていくかを考えていくかが重要であり、今回の請願には不採択の立場です。以下、その理由を大きくは2つにわたって述べさせていただきます。

1つ目に、今の保育を取り巻く状況があります。待機児童の問題について、請願者の方からは8年前と何も変わっていないとの発言がありました。確かに、全国的な問題でもあり、私も知人から保育所に入れない状況を聴くことがあります。本市でも対策を講じていますが、人口が微増しているとともに、北摂他市よりも保育所のニーズが高く、なかなか待機児童が減らないのが実状です。このような状況の中、請願項目にもありますが、認可保育園を増やすことは対策の一つです。ただそれは、既に本市でもその対応を行っています。そして、0歳児から2歳児の待機児童が多い現状も考えると、新制度のもと、認可施設として位置付けられた小規模保育の活用も必要だと考えます。本市では独自基準である1歳児保育士配置の5:1を小規模保育にも適用し、市からの巡回指導を行い、安全安心な保育環境を作るために努力していると考えます。
とにかく「小規模はよくない」とか「認可外が悪い」とか、そういう議論はもう終わりにできたらなと思います。これらの施設も保育の担い手として存在するのは事実です。だからこそ、いかに保育の質を維持向上していくかが重要だと私は思います。

2つ目は、学童保育の任期付短時間職員制度についてです。請願項目にはこの制度を廃止し、処遇改善してほしいとありますが、これについては反対の立場です。委員会で私は紹介議員の方に、「請願項目にあるように、任期付短時間職員を廃止するなら、どういう制度をお考えなのか」と質問をしました。そのお答えは「指導員は正規の職員で」という旨でした。以前まで指導員は臨時職員と非正規の身分のみだったのが、現在、3年という任期付ですが、正規職員となっています。このことにより、休暇や手当て、研修などの処遇が改善されてきています。本市のこの対応は、国の定める短時間勤務の任用制度内で、ベターな選択ではないでしょうか。
また、平成27年度の募集では、一般教養試験である一次試験は免除されるようになり、市としても継続性の観点から処遇改善と質の向上に努めておられると考えます。
委員会で、請願者の方は指導員間のトラブルや、指導員の質の向上についても触れられていました。これらは任期付職員導入以前からの課題だと聞いたことがあります。だからこそ、正規職員を配置し、指導員のみなさんが話し合いを重ねられ、平成24年3月に指導要領を作成されました。その要領の冒頭で、「指導員の仕事に向かう姿勢や仕事内容をわかりやすく文章化することを心がけた」ということが述べられるとともに、職員倫理として、「資質向上と職員間の協力」が挙げられています。こうした指導員のみなさまのご努力と成果物から、請願者の方が言われていた指導員間のトラブルについては、その減少につながっているのではないでしょうか。
学童保育のニーズの高まりや新制度に伴う教室規模適正化もあり、指導員の数も増えており、指導員体制や待遇については、引き続き検討課題ではあると考えますが、正規職員を配置したことは、学童保育事業において前進であると、私は考えます。

最後になりますが、子ども・子育て支援新制度は今年4月に始まり、行政のみなさまも対応に苦慮されていることは、議会の議論を通じても私も感じておりますが、今後もよりいっそう市民の声、現場の声をしっかりと聞きつつ、本市の制度の改善、また国・府への要望にもご尽力いただきたいと思います。そして、議会としても行政のチェック、提案に努めていく心構えであることを申し上げて、反対討論とさせていただきます。
議員各位のご賛同をよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。