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2025年6月23日

障害のある学生の声から見えてきた、茨木市に必要な支援とは?

本日、6月議会終わりました。
今回の定例会の本会議では以下の質問をしました!

【概要】
3月に重度障害のある学生さんと保護者の方から「大学での介助が足りない」と相談を受けました。
その後大学に見学に行かせていただきましたが、大学側もできる限りのハード面のサポートをされている一方で、保護者が送迎から授業中の付き添い、食事・トイレ介助まですべて担っていました。

今回、本会議で支援のあり方について質問しました。
例えば、近隣の高槻市、箕面市、豊中市などでは、国が地域生活支援促進事業として示している「重度訪問介護利用者の大学修学支援事業」を行っていますが、茨木市では未導入。国の補助率も2分の1または10分の10相当。
「障害があるから大学進学、学びをあきらめる」そんな社会ではなく、誰もが学べるまちにしていきたい。
本市では今後もより一層困難・生きづらさを抱える方に寄り添っていく、そういう市役所の福祉であってほしいと思います。

以下、質問のやり取りです

1問目
1、障害福祉について

1つの声をきっかけとして、一問一答方式で今回の質問をさせていただきます。よろしくお願い致します。

①地域生活支援事業と地域生活支援促進事業の位置づけ、考え方について
現在、障害福祉サービスは障害者総合支援法に基づき、利用者への個別給付である「自立支援給付」と、市町村が行う「地域生活支援事業」の2つに分かれています。

前者の自立支援給付には、介護給付と訓練等給付があり、介護給付、例えば居宅介護、生活介護、短期入所などがある一方、訓練等給付では、共同生活援助、就労移行支援、就労継続支援といったサービス体系となっています。

今回質問したいのは、後者の地域生活支援事業と、それに付随する地域生活支援促進事業についてです。

(1)まず、国が示す「地域生活支援事業」について、いつからどう位置づけられているのか、目的、概要をご説明ください。(総合支援法以前の自立支援法からだと思うので、経過をお示しください)

(2)それを受け、本市としては当該事業をこれまでどう取り組んできたのか、お示しください。

(3)さらに、「地域生活支援促進事業」についてもお尋ねします。いつから、どのような目的で国から示されているのか、概要をお示しください。

(4)また、本市の取り組みの現状についてお聞かせください。

答弁
・1-1-1地域生活支援事業について
地域生活支援事業は、市町村等が地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟な事業形態で実施するもので、障害者総合支援法の前身となる障害者自立支援法が本格施行となった平成 18 年 10 月より始まりました。本事業は、障害者の福祉の増進を図り障害の有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的としております。

1-1-2 本市の地域生活支援事業の取り組みについて
平成 18 年 10 月当初、障害者自立支援法以前の支援費制度その他の各種法令等に基づき実施していた事業のうち、移動支援事業、日帰りショートステイ及び日常生活用具給付事業等を地域生活支援事業へ移行いたしました。その後、国の施策動向や地域の実情に応じ、基幹相談支援センター機能強化事業など、新たな事業を計画的に実施してまいりました。

1-1-2-1(2問目) 地域生活支援促進事業について
地域生活支援促進事業は、地域生活支援事業のうち平成 29 年4月1日から追加されている事業であって、国の政策的な課題に対応する事業として位置づけられているものでございます。

1-1-2-2(2問目) 本市の取り組みの現状について
本市が実施している地域生活支援促進事業は、障害者虐待防止対策支援事業、発達障害児者及び家族等支援事業の2事業になります。



2問目

ご答弁いただきました。地域生活支援事業は、平成18年(2006年)からスタートし、その目的は、障害者の福祉の増進を図ること、障害の有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与すること、とのことでした。本市では、自立支援法以前から取り組まれてきた事業の中で、移動支援事業、日帰りショートステイ及び日常生活用具給付事業等を移行し、その後は新たな事業を計画的に進めてきたとのことでした。

また、地域生活促進事業については、平成29年から、地域生活支援事業の中で追加されたもので、国の政策的な課題に対応する事業として位置づけられたものというご答弁でした。地域生活支援促進事業は国から8つの項目が示されていて、重度訪問介護利用者の大学修学支援事業、発達障害児地域生活支援モデル事業、地域における読書バリアフリー体制強化事業、雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業などがありますが、本市においては8事業のうち2つ事業を実施されているということでした。

(1)そこでさらにお聞きしますが、地域生活支援事業と地域生活支援促進事業の違い、特に国からの補助の違いについてお示しください。厚労省のホームページでは、地域生活支援促進事業は国として促進すべき事業で、特別枠に位置付けている旨も記載されていますので、答弁をお願いしたいと思います。

(2)次に、本市では、昨年3月に障害者計画(第5次)、障害福祉計画(第7期)、障害児福祉計画(第3期)が策定されましたが、計画の中では、地域生活支援促進事業という直接的な文言は記載されておりません。ただ、すでに2事業実施されているとのことですので、本市計画上の促進事業の位置づけについては、どのように考えているのかお示しください。

答弁
(1)補助率につきましては、地域生活支援事業は国2分の1以内、都道府県4分の1以内の補助となっております。一方で地域生活支援促進事業は、国として特別枠の事業として位置づけられていることから、国2分の1又は10分の10相当の定額補助となっております。

(2)障害者計画等の策定時において、地域生活支援促進事業の文言の直接的な記載はいたしておりませんが、本事業の趣旨・内容を踏まえた上で、国の施策動向や地域の実情等を総合的に勘案し、位置づけております。



3問目
②重度訪問介護利用者の大学修学支援事業等の今後の対応について

 補助率の違いを答弁いただきました。特に促進事業の方は、特別枠の事業として位置づけられ、2分の1または10分の10相当の定額補助とのことでした。

 また本市の障害福祉計画等において、地域生活支援促進事業という文言は出てこないけれども、国の施策動向や地域の実情等を総合的に勘案して位置づけられているということで、理解しました。

それで今回、この質問を取り上げているのは、重度の障害のある学生さんと保護者から声をいただいたことがきっかけです。

 許可を得ていますので、少し申し上げると、4月から市内の大学へ通い始めておられます。大学側もハード面等できる限りのことはサポートをされていますが、保護者(母)が送迎、授業、教室間の移動、食事、トイレすべてにわたって付添い、介助をされています。家族のサポートがあるから今大学へ通えていますが、サポート無ければ明日からでも大学に行くことができなくなります。

 国は、地域生活支援促進事業の中で、こうした重度障害のある方の大学修学支援事業を示していて、北摂他市では高槻市、箕面市、豊中市が実施されています。しかし、本市に制度はありません。

 ここは本会議ですので、個別の要望をするつもりではありませんが、こういう支援こそ、公である行政にしかできないことだと感じています。今後、同じような重度障害のある若者が大学で学びたい、ということがあるかもしれません。障害を理由に、あるいは家庭の状況次第であきらめてしまうことのないよう、まして国の示す特別枠の事業メニューなら、本市も制度としてご準備いただきたいのです。

本市には、障害のある人もない人も共に生きるまちづくり条例[2]があります。茨木市は、障害の有無にかかわらず、誰もが安心して暮らし続けられること、共に生きることをまちの方向性にしているのではないでしょうか。今後もより一層、困難、生きづらさを抱える方に寄り添っていく茨木市の福祉であってほしいと思います。

そこで、最後にお尋ねします。地域生活支援促進事業を新規で実施する場合、どのような課題があり、今後どのような展開を考えているか、見解を伺います。

答弁 地域生活支援促進事業の新規実施について
個別の障害のある市民や障害者団体、関係機関から、様々なお声をいただいているところであり、その中から国の施策動向や地域の実情等に応じて実施する事業の選定を行う必要があると考えており、障害者のニーズ、他自治体の動向を踏まえながら、計画的な事業の推進に向けて検討してまいりたいと考えております。